フライブルク戦を振り返って~その3~は、現地メディア、ファンの評価と、私の試合を観ての感想を織り交ぜて書いてみようと思います。
では、まず、日本語のサイトにアップされた、現地メディアの採点・評価をご紹介します。
長谷部は「大きな影響を及ぼす選手」
23日に行われたブンデスリーガ第1節、フランクフルトはホームでのフライブルク戦で1-0で勝利を収めた。MF乾貴士&長谷部誠はともにスタメンとして出場。長谷部は90分間プレーし、乾は68分に交代している。
フランクフルトのトーマス・シャーフ新監督は、乾をトップ下で起用。フライブルクが高いポゼッション率を維持したこの一戦で、同選手はフランクフルトの得点の起点にもなり、何度かチャンスにも絡んでいる。一方の長谷部はボランチとして、主に守備面で貢献した。
ドイツ『ビルト』(チーム平均点3.08)は、乾のパフォーマンスに3と及第点、長谷部に対してはDFコンスタント・ジャクパ、FWルーカス・ピアソンと同じチーム最低タイの4をつけた。最高点は2で、数々の好セーブを見せたGKケヴィン・トラップ、ゴールを挙げたFWハリス・セフェロビッチに与えられている。(※ドイツメディアの採点は1が最高、6が最低)
『キッカー』(チーム平均点3.4)では乾は3.5とほぼ平均値。長谷部は4となっている。また同メディアでは、守護神トラップが2と単独最高点でマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。一方、ピアソンにチーム単独最低点の4.5がつけられている。
採点を行わない地元『フランクフルター・ルンドシャウ』での寸評では、乾について次のように記している。
「序盤はあまりうまくいかず、ボールロストが多かった。アイデア豊富で創造性を持つが、全体的にもう少しストレートにやるべき。だが、1-0につながるような良いパスも時折出している」
『フランクフルター・ルンドシャウ』では、長谷部の方がやや高めに評価されているようだ。同メディアは日本代表主将のデビュー戦について、次のようにまとめている。
「非常に懸命で、キープ力が高い(守備と攻撃の)重要なつなぎ役。一見では分からないが、その効果があとで明らかになるプレーをよく見せる。試合の中で、大きな影響を及ぼすことができるはずだ」
シャーフ新体制下で白星発進となったフランクフルトは次節、敵地でのヴォルフスブルク戦に臨む。
(Goal.com)
独メディア採点…2得点に絡んだ原口は「見応えのあるデビュー戦」:サッカーキング
ドイツの各地元メディアは、2014-15シーズンのブンデスリーガ開幕戦における日本人選手の採点と寸評を発表した。
ブレーメンとの対戦に先発フル出場したヘルタ・ベルリンのFW原口元気が、2得点に絡む活躍で、今節の日本人選手の中で最高点となる「2.5」の評価を受けている。また、パーダーボルン戦に先発フル出場したマインツのFW岡崎慎司は、1ゴールを挙げて「FWがすべき仕事をしっかり果たした」との評価をとなった。
採点と寸評がついた日本人選手は以下のとおり(最高点1、最低点6)
■長谷部誠(フランクフルト) 対フライブルク戦(1-0○)フル出場
『Frankfurter Rundschau』
採点:Ganz okay(十分合格)
寸評:ミツバチのように動き回り、ボールキープも高く、重要なつなぎ役をこなした。ワンテンポ置いた後にその効果を発揮するプレーを数多く見せた。もっと印象に残る動きもできただろう。
■乾貴士(フランクフルト) 対フライブルク戦(1-0○)先発出場、68分交代
『Frankfurter Rundschau』
採点:So lala(まあまあ)
寸評:序盤はツキもなく、ほぼ全てのボールを失った。アイデアと創造性を持っていたが、全体的に仰々しさ、落ち着きのなさがあった。しかしながら、先制点の場面など、連係ではいいプレーがあった。
(サッカーキングより抜粋)
上記記事中の、Frankfurter Rundschau(フランクフルター・ルンドシャウ)の元記事、ご紹介しておきますね。
Makoto Hasebe: Ganz okay
Bienenfleißig, ballsicher, wichtiges Bindeglied. Macht viele Dinge, die erst auf den zweiten Blick ihre Wirkung entfalten. Könnte dem Spiel noch mehr seinen Stempel aufdrücken.
(Frankfurter Rundschau)
また、kicker紙とBild紙の元記事も、ご紹介しておきます。
もうね、kicker紙やBild紙の評価が低いのは、今に始まった事ではなので、私個人的には気にしていないのですが。
試合を見ていない方々が、それも、かなり発言に影響力のある方が、このkicker紙やBild紙の評価を鵜呑みにして、長谷部クンのプレーを語るのだけは止めて頂きたいと。
ちゃんと試合を見れば、数字には表れないプレーで、フランクフルトのチームの勝利に貢献している事がわかるんですよ。
「Frankfurter Rundschau」の寸評が、まさに的を射た表現だと思いますし。
同じ地元紙の、「Frankfurter Neue Presse」も、長谷部クンのプレーに対して、良い評価を下しています。
Makoto Hasebe: Gutes Stellungsspiel, einige gute Pässe. Vor der Pause kam nicht viel Aufbauarbeit, später besser.
(Frankfurter Neue Presse)
翻訳サイトを参考に意訳すると。
「良いポジショニングで、いくつかの美しいパスを見せた。前半はあまり目立たなかったが、後半は良くなった。」
といった感じでしょうか?
そして何より嬉しいのは、フランクフルトのサポーターが、長谷部クンのプレーをとても気に入ってくれている事。
フランクフルトの公式サイトのフォーラム に、多くのサポーターが、自分なりのフライブルク戦の各選手の評価や寸評を、書き込んでいるのですが。
数字での評価も、非常に高いものですし、寸評も、それを、翻訳サイトで訳して読んでみると、涙が出るほど嬉しいものばかりでした。
例えば。
「長谷部は2+ :しっかりと真ん中で仕事を行いました。ゲーム構築については静かでした。かつて主将が長くいたポジションですが、(主将がいなくなっても)嘆く必要はありません。 」
「長谷部3.0 : 守備は本当に強い。しかし、ビルドアップのプレーでは、特に前半、あまりにも小さかった。その後後半は増加した。」
「長谷部2 :守備は重く、多くの洞察力と賢明なパスを通した。多少のミスがありましたが、全体の印象としては良好。」
等々のコメントが並んでいます。
以下のサイトの、最初のコメントから訳していますので、ドイツ語が堪能な方には、是非、この訳をチェックして頂きたいです。
Noten gegen den SC Freiburg:Eintracht Frankfurt
そして、私の、フライブルク戦の長谷部クンの印象も、このフランクフルトのサポーターの方々と同様の印象です。
前半は、非常に慎重に、固く入ったなと。
チーム自体、フランクフルトは、ある程度フライブルクにボールを持たせて、相手の中盤より前で、ポイントを決めてボールを奪い、一気にカウンターという戦い方に対し。
フライブルクは、フランクフルトのDFラインから激しくプレスをかけてくるので、長谷部クン自身、それ程良い位置で自由にはさせて貰えなかった感じでした。
だからこそ、慎重に、前半は様子を見ながらチャンスを伺う・・・という入り方をしたんだと思います。
前半、早い時間帯に先制したので、とりあえず前半はリードを保ったままで折り返し、後半、もう1点を取りに行くといった感じだったのでしょうか?
後半は、フランクフルトもかなり前からプレスをかけていき、長谷部クンも、ラーニヒとバランスを取りながら、攻撃の起点となるようなパスを何度か通していましたが。
残念ながら、得点には結びつかなかったので、kicker紙やBild紙では、評価が低いんだと思います。
守備面でも、前後半1本ずつ、PA内で相手のシュートを防ぎましたし。
派手さはないですが、正確なポジショニングで、相手の攻撃を遅らせ、パスコースを塞ぐなど、堅実な守備を見せていたと思います。
そういう数字に表れない長谷部クンのプレーの良さを、フランクフルトのサポーターの方々はわかってくれている・・・。
もうそれだけで、フランクフルトのクラブ、サポーターが、これまで以上に大好きになりました(笑)!
長谷部クンには、是非、クラブやサポーターを、更に喜ばせる活躍を見せて欲しいと、心から願っています。
最後に、試合の写真を一枚。
何度も見ていますが、イケメン4人組の歓喜の写真です。